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母親の部屋を出て無駄に広い廊下の左右を見る。
そこには人影は無く、琉聖がどっちへ行ったのか見失ってしまった。
どうしよう・・・
さっきは琉聖に付いて行くのがやっとで周りをあまりよく見てなかった。
だからどっちから来たのか、そして自分は何処へ行けば良いのか分からず途方に暮れる。
とりあえず琉聖か家の誰かを探さなくては。
そう思ってさっき来たかもと思う方へ歩いてみた。
此処は広いと言っても所詮家の中。
何処かには誰か必ずはいるだろうと前向きに考えて歩いて廊下の角を曲がろうとした瞬間。
「わぁ!!」
人影が微かに目に入り慌てて立ち止まった。
しかし、人にはぶつからなかったけど勢いが殺せなくてバランスを崩す。
そのまま派手に尻餅確定だとキツく瞼を閉じてその衝撃に備えた。
が、いつまでもその衝撃は身体には届かなかった。
変に思ってゆっくり瞼を開けると、意外に近い場所に琉聖の整った顔があって驚く。
「大丈夫か?」
その言葉と同時に自分の置かれてる状況が把握出来た。
見た目より逞しい左腕が俺の薄い腰に回されて支えられてる。
このお陰で衝撃から逃れられたんだ。
「あ、ありがとう。大丈夫です。」
慌てて身体を離すとちょっぴり熱い頬でお礼を言った。
「ならいい。じゃあ帰るぞ。」
本当に興味無さげに言うと俺に背を向けて歩き出す。
向けられた背中を軽く睨んで俺は琉聖の後を追った。
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