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気になる程の時間も掛からずにエレベーターはゆっくりと止まりドアが開いた。
開ききったドアを右手で抑えて閉まらないようにすると、琉聖は俺に視線だけで降りろと伝える。
その仕草は気に食わなかったが俺は素直にそれに従った。
俺が降りると琉聖と栗山さんもエレベーターを降りて、足早に栗山さんが廊下の一番奥にあるドアに向う。
そして俺達が到着するとタイミング良くドアを開けた。
「ここが俺の家だ。そして今日からお前はこの家で生活して貰う。」
そう言って腰を押されて入った琉聖の家に俺はド肝を抜かれた。
「ここが・・・家!?」
開いた口が塞がらないとはこの事なのかと初めて実感する。
それ位豪華な部屋に俺は案内された。
そこはまさに高級一流ホテルのスイートルームだった。
玄関も無駄に広く、短い廊下の奥のドアを開けるとだだっ広いリビングなのかダイニングなのか分からない広間があって、無駄な物がほぼ無い為に殺風景に見える。
そしてその部屋には幾つかのドアがあって、それぞれ応接室だの書斎だの寝室などが並んでいた。
「お前はあの部屋を使え。書斎以外は自由に使って構わないから。」
2つのドアを指して言葉少なく言うと、制服のネクタイを緩めながらたくさんある部屋の1つに消えて行った。
取り残された俺はどうしたらいいか分からずただ立ち尽くす。
「深月様、お部屋へご案内します。」
どうしようか戸惑っている俺に栗山さんが声を掛ける。
俺はその救いの声に素直に従った。
さっき琉聖の指した部屋のドアが開かれる。
「?これって・・・」
「深月様のご実家から運ばせました。」
まさにその部屋に置かれた物は、長年何気なく使っていた物達で埋められていた。
祖父に買って貰った勉強机に、量販店で一目惚れしたシンプルなクローゼット。
寝心地が気に入っている1人には少し大き目のベッドまである。
さすがにラグとカーテンは俺のでは無いけど、あとの物はほぼ俺の部屋に今朝まであった物だった。
「なん・・・で?」
「琉聖様が、環境が変わると居心地が悪いだろうからと仰って。深月様の為だと思います。」
栗山さんは自分の事のように微笑み琉聖の心遣いを教えてくれた。
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