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黙ったまま俺を見返す栗山さんを俺も見詰める。
すると柔らかく笑って栗山さんが口を開いた。
「確かに琉聖様は私の雇い主です。でも、貴方の執事でもあるんですよ?深月様。」
そう言われて呆然とする。
「貴方が婚約者に決まってから琉聖様に貴方のお世話を任されました。琉聖様には他にも有能な執事が居ます。でも、貴方の執事は私だけです。その執事が主人の味方をして何が悪いんですか?」
その言葉に何とも言えない気分になる。
目頭が熱くなるのを感じて、立てていた膝に顔を埋めた。
「私は深月様の味方です。もし琉聖様に何か言われても、私は貴方を守ります。」
その言葉を聞いた瞬間、堪えていた物が溢れ出した。
正直、今日1日不安で仕方なかった。
何もかもが衝撃過ぎて、頭で理解しようとしても心がついて行かない。
それでもどうにか頑張ろうと思った時に言われた琉聖の言葉。
俺はもう限界だったのかもしれない。
俯いたままの俺の状況を鋭い栗山さんは把握したのか、それ以上言葉を発すること無くただ優しく俺の頭を撫でてくれた。
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