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俺は産まれた時から束縛されていた。
優しいがあまり触れ合わない父親。
俺に全く興味を示さない若い母親。
周りには常に数人の大人が居て生活に不都合は無かったけど、同年代の子供の友達は居なかった。
唯一歳が近かったのは栗山位で、アイツは何時も友達の居ない俺と一緒に遊んでくれた。
団体行動をするようになって束縛は少しづつ増えていって、自由に出来る筈の行動さえも自由じゃ無かった。
でも、俺はそれが普通だと思っていて何も感じなかった。
高校に入って直ぐ父親に呼ばれて聞かされた現実。
薄々は感じてたけどやっぱり来たかと内心ガッカリした。
そして今朝、父の執事の川崎が婚約者とやらを学校に連れてき来た。
「ねぇ琉聖。琉聖は本当にいいの?」
生徒会室のソファーに凭れてた俺に聞いてきたのは、中学からなんだかんだと一緒にいるクリスだった。
「何が?」
「何がって・・・婚約者だよ。顔も見た事無いんだろう?ましてや男の子なんて・・・理解できない。」
目の前に座ってたクリスが身を乗り出し力説する。
本当にコイツはいい奴だ。
婚約者は俺の話なのに真剣に心配してる。
そこがクリスのいい所なんだけど。
「仕方ないだろ?家が決めた事だし。俺は家が決めた事に従う。兄も弟も親もみんな従ってきてる事だから。」
俺の言葉に優しいクリスの顔が悲しげな顔になる。
そんな友人の顔を俺は黙って見詰めた。
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