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初めてされた拒絶。
それに俺は自分で思うよりも相当ダメージを受けていた。
深月が家に来て1週間。
同じ部屋に住んでいてもほぼ顔を合わせる事が無かった。
学校の行き帰りは同じ車で登校はするものの、クラスが違うせいか学校では接点が無かった。
そして家に帰っても深月はすぐ自室に篭ってしまう。
食事も風呂もトイレも、俺の姿がない時に全てを済ませているらしい。
完全に避けられてる俺。
今までこんな経験をした事がない俺は本当にどう対処していいのか分からなかった。
「見事に避けられてるな?琉聖。」
面白そうに笑う栗山に殺意すら覚える。
「まぁ自業自得だよな。」
「煩い。お前深月の執事だろう?だったら何とかしろ。」
「そう、俺は深月様の執事。だから俺は深月様の味方ね。琉聖の味方じゃない。」
だから手助けしないと?
アホらしい。
俺は栗山との会話を強制的に終了してデスクに向かう。
茶乃木家は高校生だからと甘い事が許される家ではない。
中学に入って直ぐに会社が宛てがわれる。
勿論、ちゃんとした経営陣が居て直接何かをする訳じゃ無いけどそれなりに経営に携わらなければならない。
それから数年。
会社は規模を広げ、今年は別の会社の経営も任された。
着々と固められてく基盤。
少しづつ少しづつ茶乃木家に染められて行くんだと何となく思う。
「そろそろ深月様の『教育』が始まる。それまでには機嫌取っとけよ?琉聖様。」
不敵に笑う栗山に俺は小さく溜め息で返事をした。
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