アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
「ねぇねぇ琉聖。俺、深月に会いたい。」
突然、綺麗な顔の友人が机に着いた腕に顎を乗せたま呟いた。
本を読んでいた俺はその言葉に視線を上げる。
「どうしたんだ?いきなり。」
ここは教室で、今は確か自習時間。
テスト前という事もあってみんな真面目に課題に取り組んでいる。
その中で発せられた脈絡もない言葉は静かな教室にやけに響いた。
「俺らと深月の教室って建物自体違うでしょ?あの日以来、深月見てないなぁと思って。」
頬杖を着いていたクリスが美しい金髪を揺らして机に突っ伏す。
さっきも言ったが、今は自習時間。
にも関わらず椅子の背もたれ部分を抱える様に後ろの席の俺の方を向いて座り、今に至っては俺の机に突っ伏すコイツは全く勉強する気は無いらしい。
組んでいた足に分厚い本を広げて読書中の俺の都合はお構い無しだ。
「そんなに会いたければ会いに行けばいいだろう?」
例え深月が俺の婚約者だろうが、そんな事に遠慮して会いに行かない等と思慮深い思考をコイツが持ち合わせる筈が無い。
外国人特有の自由奔放さがクリスの魅力でもあるのだから。
「俺だって行けたら行ってる。でも、あっちの校舎って面倒なんだもん。」
そう言うと恨めしそうに視線だけ俺を見て睨んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 353