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この藤桜学園はある一定の条件が揃わないと入れない特殊な高校だった。
学科も経営学科と一般普通科とあり、俺とクリスは経営学科に在籍している。
その名前の通り経営学科は主に経営学を学ぶ為、それなりの会社の経営者の子供達が集められていた。
1学年2クラスと小規模な学科だが、内容は大学以上の教養を教えている。
入学するには学力は勿論、家の経済力や会社の年収や経営状態等も考慮され合否が決まるという現実主義の学科だ。
だからと言って一般普通科が他の高校と変わりないかと言えばそうでもなかった。
こちらは経営学科に通う生徒の会社に在籍している役職者や経営陣の子供と言うのが大前提で、他の子供達が入学出来る確率はほぼ無い。
主に経営のサポートを担う人材を育成するのが目的で、経営学科の生徒の推薦が無ければ入学許可は下りない。
成績や家柄も勿論考慮される為、下手したら経営学科より一般普通科の方が学力を求めれる場合がある。
この2つの学科は別棟の校舎に分けられていて、顔を合わせる事は殆ど無い。
学校行事以外で顔を合わせようとするなら会いに行くしかないのだ。
「琉聖~深月に会いたい~。」
「・・・だから会いに行けって。」
「嫌だぁ~。この前だってすっごい覚悟して琉聖の為に深月お迎えに行ったんだからね?」
一般普通科の生徒にとって経営学科の生徒は、親の雇い主の子供でもあり敬うべき相手でもある。
それがだんだん神的存在になり、アイドル並に羨望の眼差しを受けてしまう。
その中でもクリスはその見た目から格段に注目されていて、前に2人で間違って一般普通科に足を踏み入れてしまって直ぐに取り囲まれて身動き出来ない状況に陥った。
1度それを身を以て経験しているクリスは、その時の事を思い出すと未だに憂鬱だとボヤいた。
「ねぇ琉聖。深月に生徒会室に来てもらおうよ。ね、そうしようよ!」
お願いと上目遣いで懇願するクリスは冗談抜きに綺麗で、思わず願いを叶えてやりたくなる。
しかし、あからさまに避けられてる俺にはこの願いは叶えてやれそうもない。
困った顔をしてもなかなか引かない綺麗な友人が今は悪魔にしか見えなかった。
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