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少しの沈黙の後、栗山さんは『教育』の話を始めた。
「茶乃木家はご存知の通り名家です。国内は元より国外でもその名は知られています。」
俺みたいな普通の高校生でも知っている名前。
事業内容だったり、何故そんなに有名な家柄なのかは知らなくても凄いのだけは分かる。
「琉聖様はその次男です。
それなりに茶乃木家の事業にも携わっておられます。
社交界や何らかのお付き合いも多々あります。
これからそれらに参加される際に、婚約者である深月様もご一緒に顔を出さなければならない事が増えると思います。」
そうか。
これは『お妃教育』みたいなものか?
俺は何となく悟って栗山さんを見詰めた。
父親が会社を経営してるからと言っても所詮一般家庭出の俺。
社交界とかそんな華やかな世界なんか見た事も無ければ参加した事も無い。
元々名家の茶乃木家の琉聖には慣れた事かも知れないが、俺はマナーだったりちゃんとした振る舞いが出来ないのは明らかだ。
「いつからその『教育』は始まるんですか?」
洋服を漁るのを辞めて栗山さんに尋ねる。
「来週から始まります。」
短く答えた栗山さんを見て小さく溜め息を吐いた。
その雰囲気からきっとその『教育』とやらが大変なんだと分かったから。
腹を括るしか無いんだな。
「わかりました。」
それだけ言うと、栗山さんは頭を深く下げて部屋を出ていった。
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