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琉聖との生活と新しい学校生活に何とか慣れ始めた頃。
前に聞かされてた『教育』が始まった。
どんな事を学ぶの知らされて無かった俺は初日、緊張でガチガチだった。
「そんなに緊張なさらなくても大丈夫ですよ。」
苦笑いの栗山さんに言われて少しだけ力が抜けた。
『教育』は途轍もない量で、説明を受けているだけで気分が落ちる。
経営学から始まり、テーブルマナーや所作、一般教養に社交界での立ち居振る舞い。
茶乃木家に嫁ぐと言う事がそれだけ大変な事なんだと改めて思い知らされた気がした。
それだけなら未だしも、昼間は普通に学校に行って勉強をする。
昼も夜も勉強、勉強、勉強。
数日で俺の頭はパンク寸前だった。
「今日はこの位にしましょう。」
テーブルマナーの先生の言葉に俺は安堵の溜め息を吐いた。
「お疲れ様です、深月様。お茶をどうぞ。」
テーブルに突っ伏した俺の鼻に甘い香りが届く。
そっと顔を上げると目の前には紅茶とお菓子が置いてあった。
教育が始まってからずっと、勉強後に必ずお茶とお菓子が出されていた。
日課になりつつあるティータイムに俺は少しだけ癒される。
「いつもありがとうございます、栗山さん。」
お礼を言ってカップに口を付ける。
甘いミルクティーが疲れた俺の心を優しく包み込む。
「休憩をしたら帰りましょう。琉聖様がお待ちです。」
栗山さんの言葉に素直に頷く。
教育は琉聖の実家で行われる。
だから俺は学校が終わるとそのまま茶乃木家へ行って勉強していた。
3時間程色々教養を詰め込んでから琉聖の待つマンションに帰る。
それが日課になりつつあった。
そしてもう一つ日課になりつつあるもの。
それは琉聖が俺の帰宅を待っていて、必ず俺が帰ってから一緒に食事を摂るというものだった。
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