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「コホン。お取り込み中、失礼。」
声がして琉聖と2人でそちらを見ると、何とも言えない顔をした人が俺達を見詰めていた。
そうだ、人が居たんだった。
慌てて身体を離そうとした俺を琉聖が片手で抱き寄せる。
「何で貴方が?」
「ごめん。僕が彼にぶつかったんだ。」
「そう。ここまで運んでくれたの?」
「うん。気絶してたし。」
2人で会話が進んでいる。
俺はその会話を琉聖の腕の中で黙って聞いていた。
「ありがとう。」
「お礼なんて・・・本当にごめんね。」
申し訳無さそうな彼に琉聖はフッと微笑む。
何なんだろう?この雰囲気。
2人の会話は短いけれど、それは当たり前のようにされてて。
俺は何故か変な疎外感を感じていた。
「深月、立てるか?」
ボーッと考えていた俺の顔を覗き込んで琉聖が聞いてきた。
「あっ、うん。大丈夫。」
ゆっくりとベッドがら降りて立つと、少しだけふらついた。
するとすかさず琉聖が腰に手を回して俺の身体を支える。
「ありがとう。」
「まだふらついてるな。」
そう言うと、俺の身体がフワッと宙に浮いた。
「ちょっ、琉聖!?」
「暴れると落とすぞ。」
琉聖は俺を横抱きにすると、そのまま保健室のドアの方に歩き出した。
待って待って待って!!
これって女の子が喜ぶヤツだよね?
何で俺がされてる理由?
軽くパニックを起こしてる俺を尻目に、琉聖が一旦立ち止まる。
そして振り返ると、俺をここまで運んでくれた綺麗な男性に向かって口を開いた。
「ありがとう、由都。」
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