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深月とぶつかった張本人の名前は久住 由都(くずみ ゆいと)。
俺達と同じ高校2年で一般普通科に在籍している。
色白で線が細く華奢な彼は昔から『お姫様』と呼ばれていた。
だからと言って女っぽいとか女々しいとかは全く無く、どちらかと言えば芯が強くてある意味男っぽい。
時々俺でも敵わないって思える程男前な性格をしていた。
その由都を俺は出会ってからずっと好きだった。
初めて会った時、俺は由都に思いっきりビンタされて面食らった。
由都はよく男に痴漢紛いの事をされていて、その時も家からずっと着けられていたらしい。
暫くは気の所為だろうと誤魔化していたが、信号待ちをしていた時身体を触られた。
そこで我慢の限界を迎えた由都は振り向きざまにその痴漢にビンタしたのだ。
が、真後ろに居たのは痴漢では無く、たまたま後ろに立っていた俺。
相手も確認せずに思い切り振り切られた右手は見事俺の左頬に命中した。
それが中2の春。
クラスが違ったせいで顔を知らなかった俺達はそこで運命的に出会ったのだった。
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