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あの運命的な出会いをしてから俺達はよく一緒に居るようになった。
クラスは違ったが昼休みは一緒にご飯を食べた。
『茶ノ木家』ってだけで遠巻きにしか見られて無かった俺は友達と呼べる友人が居なくて、そんな中普通に話してくれる由都の存在はとても大きかった。
中3になって由都と同じクラスになり、転校して来たクリスとも仲良くなった俺達はいつも一緒だった。
そして・・・
運命の日を迎える。
その日は由都とクリスが家に泊まりに来る事になっていた。
友達らしい友達が居なかった俺は嬉しくてテンションがかなり高ったと思う。
そこで人生最大の失敗をするなんて思いもしないで。
「おい、琉聖?大丈夫か?」
栗山の声で我に返る。
「どうかしたのか?」
心配気な栗山に首を振る。
「ちょっと思い出していただけだ。」
それだけ言うと栗山は察したのかそれ以上突っ込んでは来なかった。
今はもう何とも思ってないほろ苦い記憶。
深月が婚約者になって思い出す事は無かったのに、本人に会ってしまうとやはり蘇ってしまうのかと苦笑いが溢れた。
少し冷めたコーヒーを体内に流し込んだ時、リビングで小さな物音が聞こえた。
ゆっくり立ち上がってドアを開けると、深月がフラフラと歩いてキッチンへと向かっていた。
「起きたのか?」
声を掛ければ振り返って微笑む。
「喉が乾いて。」
「呼べば良かったのに。」
深月を追い越して冷蔵庫に辿り着くとミネラルウォーターを取り出して差し出す。
ありがとうと言いながら受け取った深月をそっと腕に納める。
今は深月の体温のがとても心地好くて、触れているだけでとても安心出来るんだ。
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