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深月の体調が少しだけ回復していたから一緒に夕食を摂る。
何時もは『教育』のお陰で22時前になる夕食も、今日は早めに摂る事ができた。
「気分はどうだ?」
頭を打っているだけに心配な俺は、食事を普通に食べている深月に聞いてみる。
「大丈夫だよ。痛み止めのお陰で頭も痛くないし。食欲も思ってたよりはあるから。」
「そうか。あまり無理はするなよ。」
そう言うと深月は微笑んで頷いた。
倒れたと聞いた時は本当に心配した。
まさかこんなに焦るなんて自分でも不思議だ。
それだけ深月の存在が大きくなっているんだと改めて実感する。
「そう言えば・・・俺を助けてくれた人、琉聖の知り合い?」
突然聞かれて箸が止まる。
「どうし、て?」
「保健室で話してたから。」
そう言えばあの時、普通に話せてたっけ?
それはそれで今となってはびっくりだが、それを深月が覚えてたのもびっくりだった。
「彼は・・・」
別に隠す事でもない。
近い内にきっと会う事になるんだから。
「兄の『大切な人』だ。」
残り少ない食事に箸を進める。
「大切な人?」
箸を咥えたまま深月が俺を見る。
マナー指導の先生が見たらきっとガッカリ項垂れるような仕草の深月を俺も見詰める。
「茶ノ木家のルールは覚えてるか?」
「・・・一応。」
「兄は次期当主だ。」
「じゃあ・・・愛人?あの人が?」
愛人って・・・彼が聞いたら激怒間違いないな。
表現はどうであれ兄には妻が居る身で、そう言われても仕方ないから俺は頷いた。
「・・・そっか。」
それ以上深月は深く聞いては来なかった。
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