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連れて来られた部屋は大きなダイニングらしい場所だった。
長いテーブルに椅子が何脚も並んでいる。
そこには数人がもう座っていて、俺達が入って来たのに気付くと一斉に視線が向けられた。
「父さんと兄さんは?」
一番扉に近い席に居たい男の子に琉聖が聞く。
「まだ帰って来てないよ。もうすぐ着くと思うけど。」
「そうか。とりあえず今居る人間だけ紹介しよう。」
テーブル伝いに歩いて行きながら琉聖が一人一人紹介してくれた。
「コイツは弟の柊聖(しゅうせい)だ。」
さっき質問に答えてくれた男の子が立ち上がる。
「初めまして。よろしく。」
大きな瞳にふわふわの茶色い髪をした弟くんは琉聖とはまた違った雰囲気で、お義母さん似なのがよく分かる可愛らしい男の子だ。
弟だから年下なんだろうけど、身長的にはあまり変わらないのがちょっと悔しかった。
頭を軽く下げて歩き出すと、とても綺麗な女の人の側で停まった。
「彼女は愛莉(あいり)さん。兄の奥さん。俺達と同じ高校の3年生だ。」
琉聖の言葉にすっと立ち上がった兄嫁は無表情のまま軽く会釈した。
綺麗な顔立ちのせいか無言の無表情は凄く冷たい印象を受けてしまう。
なんとなくだけど、仲良くは出来ないタイプだと思った。
そしてまた少し歩くと席が空いていて琉聖がそこて立ち止まると目の前の見知った顔の人に視線を向ける。
「母さんはこの前会ったよな。」
「お久し振り、深月さん。」
「ご無沙汰してます。」
事務的な挨拶をするお義母さんに頭を下げると琉聖が引いてくれた椅子に腰掛ける。
後は先日会ったお義父さんとお兄さんだけか。
本当に家族だけの顔合わせだと思うと少しだけ緊張が解けた気がした。
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