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顔合わせが終わった俺達は琉聖が使っていた部屋に案内された。
今は使っていないその部屋はきちんと整えられていて、きっと琉聖がいつ帰って来ても良いようにしてあるんだなと分かる。
個人の部屋にしては無駄に広い部屋にはソファーとテーブル、あとは1人で寝るには広すぎるベッドが置いてあった。
俺の知らない過去の琉聖が過ごしていた部屋に妙に緊張してしまう。
「そんな所に立ってないで座ったらどうだ?」
食事会用に正装していた琉聖がネクタイを緩めながら呟く。
その仕草も様になるから男としてはちょっとだけ落ち込む。
ジャケットを脱いでソファーの背凭れに掛けると疲れた様にドサッと腰を下ろした。
促されるまま琉聖の隣に座るとそっと肩を抱き寄せられる。
「疲れたか?」
「ちょっとだけ・・・琉聖も疲れた?」
「まぁな。」
抱き寄せられるまま肩に頭を乗せると、肩にあった手が頭を優しく撫でる。
瞼を閉じれば直ぐに意識が飛ばせそうだ。
「眠い?風呂は?」
「・・・うん。」
「深月?」
「うん・・・」
心地いい琉聖の声が普段より近いせいか意識がどんどん遠ざかって行く。
「寝るんならベッドで寝ろ。」
髪に指を絡めながら囁かれる甘い言葉。
そうだよね。
ベッドで寝なくちゃ、ベッドで。
ベッド、ベッド、ベッド・・・
え?
思考が辿り着いた瞬間、俺の意識が一気に覚醒する。
ベッドって確か・・・
琉聖の肩から頭を起こすとゆっくりと振り返る。
そこには1人で寝るには広すぎるベッドが1つ。
この部屋には琉聖と俺の2人。
少しだけ眠りかけていた頭はなかなか正解を導き出してはくれなかった。
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