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急ぎの仕事を片付けて大きく息を吐く。
普段掛け慣れないメガネを外してテーブルに置く。
目は悪くないなのだが少しだけ度の入ったメガネは仕事の時は疲れを軽減してくれるから手放せない。
少し前まで感じてた視線は今はもう無くて、規則正しい寝息が部屋に小さく響いていた。
確認の為にベッドへ視線を向ければ無防備な寝顔がそこにあった。
食事の後、あんなに一緒に寝る事に意識しまくってた割に呑気な奴だと呆れてしまう。
「俺も寝るか。」
首を左右に傾けて凝りを解して立ち上がると深月の眠るベッドに歩み寄った。
起こさないように細心の注意を払ってベッドに腰掛ける。
身体をくの時に曲げて眠る姿に頬が緩む。
「ずっと見てたもんな?俺を。」
変な寝相なのは深月の足元にあったソファーに座っていた俺に気付かれない様に盗み見してたからで。
それに気付かない振りをするのは結構大変だった。
あんなに一緒に寝るのを拒否してたのに、熱い視線を送ってきた深月の心理が分からない。
今まであまり他人に興味を持てなかったせいなのか?
少しだけ後悔する。
気持ち良さそうな寝息を点てる深月の髪に自分の指を絡める。
こんなに人を愛しく思える日が来るなんてあの頃は思って無かった。
もう俺の心は凍りついてしまったと思ってたけど、こんなにも簡単に溶かしてしまうなんて。
「深月。お前は不思議なヤツだな。」
触れた手に深月が身動く。
少しだけ深月の温もりに触れてからベッドに潜り込んだ。
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