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帰り着いた俺達は深月の敷き詰めた家中のクッションを大きな窓辺に並べて寄り添って過ごした。
特に何をするでも無くただのんびり過ごす。
仕事も教育も今日は忘れて。
「眠くなった?」
ポカポカ陽気のせいか、深月がウトウトし始めた。
俺の肩に凭れて睡魔と戦っている。
そんなに頑張らなくても寝れば良いのに・・・
「深月。」
髪を優しく撫でれば猫のように擦り寄って来る。
「勿体ない・・・」
「何が?」
眠気を含んだ声は少しだけ甘ったるい。
「時間が・・・琉聖と一緒・・・」
ほぼ手放し掛けてる意識をどうにか繋ぎ止めてるのが分かる。
その無意識な言葉に俺の頬が緩む。
「いつでも一緒に居るから。今は寝ろ。」
言い聞かせる様に囁いてもなお、深月は頑張って起きてようとする。
時々頑固が姿を現す。
それも今は愛おしい。
「琉聖・・・」
「何?」
「―――」
本当にそれは小さく紡がれて、一瞬聞き逃したかと思った。
もう限界だったのか本人は俺の肩から少しズレ落ちて胸元で柔らかい寝息を点てている。
腕の中にある温もりは俺の想いと比例していて心地いい。
この温もりを俺は大切に守りたい。
そう心から俺は思っていた。
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