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カタッと小さな物音で意識が浮上した。
誰かがこの部屋に居る。
でもそれに恐怖は無かった。
さっき栗山さんが誰か他の人を寄越すと言っていたから。
目を開けるのも億劫でそのままソファーに身を沈めて居ると、暖かい大きな手が俺の頭を優しく撫でた。
俺がまだ寝ていると思ってるのかその優しい手は時々髪を梳くように頭を撫で続けてる。
それがとても気持ちよくて俺は戯れるがままだった。
あまりにも心地良くてそのまままた意識を手放そうとしていると、優しい温もりがすっと頭から離れていった。
もう少しだけ頭を撫でて欲しい。
そう思った瞬間、俺は無意識に暖かい手を掴んでいた。
「深月・・・?」
びっくりしたその人は思わず声を上げてしまう。
今度はその声に俺が驚いた。
「クリス・・・?」
薄暗い部屋の中。
閉じていた瞼を上げるとゆっくり視界が慣れていって、予想より近い所にあった顔にまた驚いた。
目の前には綺麗に整った顔のクリスが俺をじっと見詰めていた。
「どうし・・・て?」
ゆっくり身体を起こすとクリスが俺の身体を支えてくれた。
「琉聖から連絡貰って。深月の側に居てくれって。」
その気遣いにちょっとだけ胸が熱くなる。
酷い事を言った俺を責めるでも無く、1人にしないようにしてくれた。
それが嬉しくもあり、申し訳無くもあった。
「ごめんなさい、迷惑掛けて。」
ソファーに座って俯いたまま謝ると隣に温もりを感じた。
「迷惑だなんて。俺は嬉しいよ。深月と居れて。」
肩を抱きながらクリスが優しく微笑んでくれる。
それがとても嬉しかった。
「深月、少しだけお話しようか?」
俺の顔を覗き込んだクリスが優しく言ってくれたから、俺はその申し入れに素直に頷いた。
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