アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
これは・・・彼なりの謝罪と受け取っても良いのだろうか?
ほんの数時間しか一緒に居なかったけど、彼がどんな人なのか少しは感じていた。
人に媚びる事も好かれようとも思っていない不遜な態度。
人がどう思おうと決して折れないし人の評価を全く気にしないのは、きっと自分に自信があるからなんだろう。
自分は何も間違ってない。
だから人にどう思われようが指摘されようが決して自分を曲げたりはしないだろう。
その自信家で傲慢そうな琉聖が『悪かった』と言った。
それはこの人を知る人ならきっと驚く言葉だろうと少ししか知らない俺でも分かる。
「おい、聞いてるのか?」
謝罪したのに何も言葉を発せず琉聖を見詰める俺を本人は不満そうに睨んだ。
そりゃあそうだろう。
睨みたくなる気持ちも分かる。
「何で、謝ろうと思ったの?」
本当にちょっとした疑問だった。
もしかしたら本当にこの人は俺に対して済まなかったと思ったんじゃないだろうか?
そう思ったんだけど。
「栗山がしつこく謝れって言うから。」
面倒臭そうに言う琉聖に腹が立った。
人に言われたから謝る。
それって幼稚園児にも出来る事で、高校生にもなってそれをしてしまう琉聖が本当に理解出来なかった。
「あっそう。なら謝ったんだしそれで良いんじゃない?腕、離してくれる?」
苛立ち気味に俺は琉聖を睨んで呟いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 353