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ちょっとびっくりした顔で琉聖は俺の手が乗る自分の左手を見詰める。
そしてゆっくりと視線が上がって俺を捉えた。
絡まる視線が何とも言えない気持ちにさせる。
「琉聖。正直な気持ち、聞かせれてくれる?」
俺の言葉にゆっくりと頷く。
「どうしてそんなに優しくしてくれるの?」
ここ数週間で劇的に変わった琉聖の態度。
あの、エレベーターホールで抱き締められた位から少しづつ優しくなったと思う。
その理由がいまいち掴めなくて、この優しさを素直に受け入れて良いものかとちょっと捻くれた考えになっていた。
だから、琉聖の素直な気持ちを聞きたかった。
俺の言葉に琉聖は少し考えてから口を開いた。
「なんだろう。俺にもどうしてだかははっきりしない。でも・・・」
琉聖の手に乗っていた手を右手でギュッと握られる。
その温もりも優しくて心臓が少しだけ早く動く。
「もう泣かせたくないと思ったんだ。笑ってて欲しいって。」
穏やかな声に鼻の奥がツンとする。
そんなふうに思っててくれた。
それだけで幸せだと思う俺はどうかしてるのだろうか?
でも素直に嬉しかった。
「ありがとう、琉聖。」
俺の言葉に琉聖が微笑む。
この優しい笑顔、好きだなぁ。
「さ、食べよ。」
食事の途中だった事を思い出して手を離すと、また箸を持った。
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