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生徒会室がある校舎の1階。
その一番奥に保健室はあった。
久し振りに全力疾走で向かった俺は躊躇無く保健室のドアを開く。
周りには目もくれず閉まっていたカーテンを勢い良く開けると、蒼白い顔をした深月の姿があった。
大丈夫か聞くと頭が痛いと言う。
今日の予定は全てキャンセルして家へと連れて帰った。
大丈夫だと言い張る深月を寝かせて部屋を出ると、心配気な顔で栗山が立っていた。
「深月様は?」
「今寝た。」
「そうか。夕食は?どうしますか?」
「深月が起きてからにする。」
「畏まりました。ではコーヒーをお持ち致します。」
栗山に頷いて自室に戻る。
持っていたブレザーと緩めたネクタイを外すとソファーに投げた。
シャツのボタンを外しているとドアがノックされて栗山がコーヒーを運んで来た。
シャツを脱げば当たり前のように部屋着を差し出され、シャツを差し出せば受け取られる。
着替えを済ませてソファーに座れば、そこにはもうブレザーもネクタイも無くなっていた。
空きっ腹にコーヒーはどうかと思ったが当たり前の様にラスクが添えてあって、この卒の無い栗山の行動には頭が下がる。
「深月様は大丈夫なのか?」
立ったままではあったが砕けた話し方に俺は座るように促す。
「病院にも連れて行ったが大丈夫だと言われた。少し腫れてるはいるけど。」
ぶつかって直ぐに冷やしてくれてたお陰で、最初に触った時よりだいぶん腫れは引いていた。
ラスクを1口噛んでコーヒーを流し込む。
深月が倒れたと言われてからやっと一息吐けた気がした。
「由都様に会ったって?」
少しだけ含みのある声に視線を向ける。
そこには怒っているのか心配してるのか分からない表情で俺を見る栗山と視線が絡んだ。
「由都とぶつかったらしい。彼が深月を保健室まで運んでくれた。」
「そう・・・大丈夫か?」
質問の意図が分かった俺は黙って頷いた。
大丈夫も何も特に何も無い。
俺は痛い視線から逃れるようにコーヒーを体内に流し込んだ。
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