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心地いい温もりが指先に触れる。
無意識にその温もりを手繰り寄せれば意外とすんなりそれは腕の中に捕えられた。
凄く気持ちがいい。
もっと近くに、もっと・・・
1ミリも離れてたくなくて力を込める。
すると優しい温もりが俺の身体を包み込んだ。
人肌か?
ゆっくりと意識が浮上して少し重い瞼を開けると、目の前に柔らかな黒髪があった。
そうか。
この温もりは深月か。
確認してもう一度目を閉じる。
今日は日曜日だから二度寝しても問題ないな。
そう思った矢先。
「っ!?」
声にならない音が胸元で聞こえた。
起きたか・・・
もう少しだけこの温もりを抱いていたかったのに。
そう思うとなかなか腕を緩める事が出来なくて、俺は気付かない振りをして深月の身体を抱き締めていた。
「ちょ、琉聖!起きて!!」
俺の胸に顔を埋めているせいで潜もった声がする。
「深月、どうした?」
腕は緩めないで答えると深月の腕が俺の腹を押す。
どうやら脱出を試み始めたらしい。
少しは鍛えてるとは言ってもそう力任せに押されたら結構苦しい。
俺は渋々腕の力を緩めた。
するとすかさず深月は俺から距離を取る。
布団の中をズルズルと移動して、ベッドの端まで行くと、真っ赤な顔で俺を睨んだ。
「おはよう、深月。」
片肘を付いて頭を乗せる。
返事は・・・返って来ない。
「おはよう。」
もう一度言うと、小さく「おはよう」と返された。
「ところで、何でそんな端に行く。」
あと数センチ下がったら確実に落ちる。
それが心配で聞けば深月はまた可愛い顔で睨んできた。
「琉聖が!」
「俺が?」
「抱き、付いてた!!」
それがどうした?と聞きたかったが恥ずかしがってるのは一目瞭然で、それを指摘して気分を損ねてしまったら折角の休みが台無しになる。
だから俺は言葉をグッと飲み込んだ。
「嫌だった?」
嫌がられてはいないと思ってても確認はしておきたくなる。
じゃないとこれから先、何かと不具合が生じるから。
俺の問いかけに深月が黙り込む。
急かさず答えを待つ俺を深月が見詰める。
「・・・嫌、じゃない。」
相変わらず顔を真っ赤にして睨まれてはいるが、深月の答えに俺は大満足だった。
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