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認めてしまったらそれはもう俺の全身から溢れ出ていった。
「琉聖が好き?」
クリスが優しい笑顔で聞いてくる。
「・・・たぶん。」
まだ気付いたばかりの気持ち。
それに確信を持つにはまだ時間が足りない気がした。
「たぶん、ね。それで充分なんじゃない?」
言葉の意味が分からなくて俺はクリスを見詰めた。
「人を好きになるのにハッキリした物って無いでしょ?『今日から』とか『今から』とか無いしね。だんだん気持ちに気付いて、ゆっくり育むものだよ。恋って。」
そう言って微笑んだクリスはとても同じ年には見えなくて、とても大人に感じた。
その大人なクリスの言葉に俺はとても救われた。
「ありがとう、クリス。」
少しだけ恥ずかしくて俯くと、クリスはその優しい手で俺の頭を撫でた。
全然問題は解決して無いけど、気持ちはだいぶん軽くなった。
「で、これからの『教育』の事なんだけど・・・」
心配そうに聞かれて俺は顔を上げた。
逃げられない現実。
でも琉聖の婚約者として俺はこれからも彼の側に居たい。
だから・・・
「俺・・・頑張る。それが琉聖の側に居る為に必要なら。」
真っ直ぐクリスを見て答えると、その美しい顔が優しく微笑んだ。
「無理はしちゃダメだよ?辛い時は辛いって言っても良いと思うよ。いつでも頼ってよ。俺にでも、琉聖にでも。きっと琉聖は待ってると思うよ。深月が助けを求めるのを。」
本当にそうかは俺には分からないけど、何でも気持ちは話さないと相手には伝わらない。
だからクリスの言葉を胸に刻んだ。
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