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「分かった。」
そう言うと琉聖は俺から身体を離して立ち上がった。
「今から『教育』する。おいで、深月。」
真っ直ぐ俺を見下ろした琉聖はそっと手を差し出した。
この手を取ったらもうどんな言い訳をしても戻れない。
でも俺に迷いは無かった。
大きくて華奢な手にそっと自分の手を乗せると琉聖は確りと握って俺を引っ張った。
勢いで立たせられた俺はバランスを崩して琉聖の腕の中にすっぽり収まる。
「深月、もう逃げられないぞ。」
俺を確り抱き締めた琉聖が耳元で囁く。
俺はもう逃げない。
琉聖の隣に居る為に。
「もう逃げない。琉聖と一緒に頑張る。」
「じゃあ、部屋に行こう。」
その言葉がとてつもなく恥ずかしくて顔が上げられない俺は、琉聖の胸に顔を埋めたまま頷く。
身体を離して俺の腕を引いて連れて行かれたのはあまり入る事の無い琉聖の寝室だった。
モノトーンの落ち着いた室内。
無駄な物が無くて、あるのはベッドとサイドテーブルだけ。
照明も間接的な物しか無く、本当に寝る為だけに存在する部屋なんだと思った。
手を引かれてゆっくりとベッドへと近づく。
前を歩く琉聖が先に辿り着いたベッドに腰掛けて俺を見上げる。
「深月、おいで。」
促されて俺は琉聖の隣に腰掛けた。
「大丈夫か?」
俯いたままの俺の頭を琉聖が撫でる。
ぶっちゃけ大丈夫では無い。
ここは琉聖の匂いが充満してて頭がクラクラする。
好きな人が毎日使っているベッド。
好きな人が毎日安らぐ場所。
そう考えただけで心臓が有り得ない早さで鼓動を刻んでいた。
ただベッドに腰掛けただけでこんななのに、今から琉聖と・・・
俺の心臓は大丈夫だろうか?
「深月?」
何も反応しない俺に心配気な声が届く。
そっと顔を上げると俺を見詰める琉聖の瞳に囚われる。
「琉聖・・・」
そっと琉聖のセーターの胸元を掴むと頭にあった手が頬へと降りてきて、その端正な顔がゆっくりと近付いて来た。
瞼を閉じると重なる唇。
俺の身体はゆっくりとスプリングの良いベッドに沈んでいた。
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