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日常を為すべきだと、刹那
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「そっちのほうが断然いい。吐き気がなくなった」
「…別に吐いてもいいけどね…」
俺がそう言うと、一縷は今まで見たことのないくらい楽しそうに「何だお前、いつもそんなこと考えてたのかよ?」と笑いながら言った。
「…まあ」
「なんかお前、素だとさっぱりしてんのな。普段と正反対すぎて声聞かなかったら俺も気づかなかったと思うし。…このこと、学園の奴は知ってるのか?」
さっぱり、か。
さっぱりというか、ぶっきらぼうって言いたいんだろうな、とは憶測がついた。
素の俺は口数は少ないし、表情もあまり顔に出ない。それに関しては十分自覚しているし、他人から見るとそれがとっつきにくいのは分かってる。
「誰も知らない。ああ、理事長だけは知ってるけど、そのほかは全く知らないよ」
「へえ…たいそうな演技力だな。まさか今目の前にいる奴があのチャラ男だなんて、ほんっと、びっくりってレベルじゃねえよ」
「自分でも、そう思うよ」
会話をどう続けるべきなのか、何という言葉を発したらいいのか全くと言っていいほど分からなかった。学園へのたった五分ほどの道のりが永遠に感じられる。
このままこの夜空に溶けてしまえたらいいのにな、なんてことを俺はふと考えた。
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