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一縷視点。
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この人と一緒にいたい。
この人を支えたい。
初めて見かけた相手なのに、甲斐甲斐しくもこんなことを考えてしまう程に、目を奪われ、心を激しく掴まれた。
「あー、その人絶対会長だよ。多田樹会長。この間会長になってからかなり騒がれてるよ。というか一縷、会長の顔知らないの?こんなに有名なのに」
恥ずかしいことに俺は、全く学校に興味がなかったので生徒会長の顔さえ知らなかった。
俺には関係ないのだから、どうでもいいと思っていた。
もし俺が生徒会に入れば、あの人といられる?
一緒にいて支えることができる?
ドキン…っ…、
自分とあの人が一緒にいるところを想像しただけで胸が高鳴った。
生まれて始めて、こんなにも誰かの側にいたいと思った。
あんなにも美しい人の近くにいられるなら。
それ以上に嬉しいことはない。
「あれ、もしかして一縷も会長に惚れちゃった?あの人あれだけ整った顔立ちだからかなりもててるんだよ」
「…違う」
この感情は、純粋な尊敬の念だ。
好きとは違う。見ているだけで十分なんだ、高嶺の花は。
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