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新緑の香りと澄み渡る青空
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「悪い、待たせたな」
後ろから聞こえてくる一縷の声に、悪いことをした訳でもないのに思わずギクリ、としてしまう。
俺より十センチは高い長身は、人混みに紛れることなく際立って見えた。
「…一縷っち~今日は頑張ろうねえ」
「一縷様、頑張りましょうね!僕のことは気にしないでどんどん敵を攻めていいですから」
駄目だ、やっぱり彼の顔を直視出来ない。
一縷から視線を注がれていることが分かると、心の中まで全部覗かれているような気分になる。
気を少しでも抜くと、パレッドでさまざまな色がごちゃまぜになったみたいに自分自身が誰なのかが分からなくなってしまう。
「練習では上手くいってたんだから大丈夫だろ。三人騎馬は何回やっても危ないと思うがな。なんで四人にしないのか不思議だ」
「まあ男子校だからスリルがあった方が楽しいんじゃないかな~?」
続けて「怪我のないようにしようね~」と言おうとしたのだが、言葉を紡ぎ出すより一瞬早く「騎馬戦に出場する生徒はグループ全員が集まったか確認をしてください」というアナウンスが俺の言葉を遮った。
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