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新緑の香りと澄み渡る青空
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「グループ三位でしたね!凄いですっ!さすが一縷様と春乃様です」
興奮した様子でキラキラした瞳を輝かせる優李を見て、「…よかった」と心底思った。
一時はどうなるかと思った一縷とのグループが、まさかこんな結果を残せるなんて。
「ほんと、皆よくがんばったねえ~一縷っちも、ありがとね」
「いや、桜川が…」
やけに歯切れの悪い一縷に、俺は「…ん?どうしたの~?」と先の言葉を続けるように促した。
「…なんでもない。上手くいって、よかったな」
何だったんだろう。
彼に限ってあんなに口ごもるだなんてことは、普段からはありえない。
何か、気が付かないうちにしちゃったのかな…?
「…副会長…っ!」
大声で切羽詰まったような声が背後から突然聞こえて、俺は思わず後ろを向く。
息せき切ってやってきた様子の彼は、クラスメイトの人間だった。
肩で息をして、今にも倒れてしまいそうだ。
「…どうしたのお…?」
「副会長に、一生のお願いが…っ」
懇願するような目で、「一生のお願い」なんて言われたら普通は焦るだろう。
汗でびしょびしょの額が、その必死さを表していた。
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