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新緑の香りと澄み渡る青空
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「桜川の奴、ホントうざいよな。会長と会計が可哀相でしょうがないよ」
「見てるだけでイライラするよなー。なのに何なの?いっつもヘラヘラふざけてると思ったらさっきは真面目に走ったりして」
「あれは本当にビビったわ。他人が憑依したのかと思うくらい別人の顔だったから」
ケラケラと嘲笑うかのような笑い声が響き渡る。
「なんだっけ、あいつの親衛隊の阿部?とかいう奴いるだろ?あいつも大っ嫌いだわ。
いつもちょこまかしててなー、女みたいな顔してるし小さいから襲ったら大人しくなりそう」
…怖い。
逃げたい、すぐにこの場所から。
「アハハまじで襲っちゃう?すぐに泣いちゃうかな」
……これ以上は、言うな。
俺はいくら何を言われても構わない。
けど、他の誰かが標的にされるのは許せない。
「…俺のことはいくらでも言っていいですけど、優李のことは悪く言わないでもらえますか~?」
逃げればいいのに、正義感を振りかざすことを選んでしまった。
だって、優李のことを悪く言われるのはどうしても許せなかったから。
「桜川?は?なんでここにいんの。今までの聞いてたのかよ」
「…聞いてましたよ?」
「てめえほんっとにうぜえんだよ!いっつもヘラヘラしやがって…っ、虫唾が走る」
ドンっ、と抵抗できないほどの力で壁に叩きつけられた。
気づいた時には手首を押さえつけられた上に、鋭い爪がそこに立てられていて、あまりの痛さに声を出すことすらできない。
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