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楽しいかも。(夏希)
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――ガラガラガラ
敷居を跨ぐ前に一回止まる。
今日で登校し始めてちょうど1週間なんだけど
やっぱり慣れない。
あの日、あいつに言い返したお陰で、
オレの悪名は全て払拭された。
けど、その代わりに…
「日和くん、おはー」
「はよーー」
「日和くん入っといでー」
「あ、ははは…」
なんだか、人気者になっちゃった(苦笑)
けれど、支えにもなっていた。
もちろん皆、オレと湊の関係を知ってる。
その上でこうやって笑いかけてくれる。
裕翔が苦しんだイジメみたいなものは、ない。
反対に、やっぱり軽蔑するみたいな目も言葉もあって。
それでも、大丈夫って思う。
笑って接してくれる人がこんなにいるし、
同じ立場の渚もとも先輩もいる。
なにより………
「夏希?どうしたの?気分悪い?」
「ううん。いつもありがと、湊」
「急にどうしたのっ!?」
こんなにも、大切にしてくれてる湊がいる。
もう、何もいらない。
けど、何も奪わないで。
あんなに苦しくて、毎日泣いて。
枯れてしまってた心も、湊が潤してくれたよね。
オレ、生きていくからね。
ずっと。生きていくから。
楽しい、この世界。
ちょっと明るくなったこの世界。
愛しい君と1ヶ月違いに産まれて
本当に良かった。
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