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マボロシ。
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―ピンポーン
なんだろう?誰だろう?
渚だったらいいな。
オレのことを助けてくれる人だったらいいな。
まぁ、きっと逆だろ。
わかってる。動いてんのかわかんない頭でも
それくらい、理解できるよ…
水をかけられて起こされ続けて
体は寒さで震えが止まらない。
…恐怖で、かもしれないけど
この際、そんなのどっちでもよくて。
床はコンクリート。
なんだか、倉庫みたいな所。
無駄に静かで声が響いて
…オレの体が発しているであろう
水音も聞こえてきて
感覚なんて、もうあったもんじゃない。
本当は、もう死んでるんじゃないか
って思うくらい
ふわふわ、くらくら。
どっちが地面かわからないくらい。
目眩がひどいんだ。
「夏希っっっ!」
湊の声がして、頭にすんなり入ってきて
幻聴だってことなんてわかりきってるのに
「み、な…と??」
わかってるんだ。
それでも…
「み、なと。」
縋りたくて。
また、その声を聞きたくて。
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