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8月某日 部活にて②
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「コラ!!克己!」
ツボセンの怒鳴り声なんて聞こえない、聞こえない~
俺は我慢ならずれんを脇に抱えて体育館の端っこまで走って連れていく。
ゼーハーゼーハー…
ちょっと間違えたら変態よろしく息が荒くなる。
「ゼーハー…れ…れん…」
「さっき、おじちゃんに怒られてたおにーちゃんだ!」
キャッキャッはしゃぐれんを降ろして紅葉のようにちっさいお手てを掴む。
「ちょっとこの手、触らせろ」
まだぬくもりが残ってるはず!
れんの小さな手のひらに頬擦りする俺ってばド変態?
「やめんか―――!」
手のひらにクンクン鼻をくっつけたとこでツボセンの拳骨が落ちてきた。
グスン、本日…二発目。
痛がる俺にれんは大喜び。
お子ちゃまは能天気でうらやましいぜ。
「おにーちゃん、あのきれーなおにーちゃんがすきなの?」
くりくりした瞳で無邪気に笑うれん。
ふっ 愚問だぜ。
「れん、良いこと教えてやる。
あの綺麗なおにーちゃんは天使なんだぞ。
だからおっぱい触ったりしちゃだめなんだぞ。
今度触ったりしたら俺にその感触を教え…わぶっっ」
「幼児になに仕込んでんだ」
またまたツボセンの愛の鉄拳。
うう…(見た目)ヤンキー教師め…
仕方なくアップするべく柔軟を始めた川島たちに合流しようとした。
クイッとユニフォームの裾を引っ張られて阻まれる。下に視線を向けるとれんが引っ張っていた。
「どーした?」
「おれ、おにーちゃんの事なんてゆーか知ってるぞ!
ほもさぴえんすだ!!」
ハァ!?
誰が現生人類じゃ!!
っつーか何で六歳のガキんちょがそんな言葉を知ってんだ?
っつーか百歩譲ってれんが言いたかった事が『ホモ』だったとして
―――ちげぇーし!!!
…グレーゾーンだけど。
あゆは天使、あゆは天使!
うん、よし。ブレてない!!
「サク~!早く柔軟しよーよ」
ウンウンと頷いて確認している俺にあゆがわざわざ駆け寄って呼びに来てくれた。
優しい!!
「ねぇねぇきれーなおにーちゃん、
このきんぱつのおにーちゃんがきれーなおにーちゃんのことすきなんだって!」
俺とあゆを指差して…ってれん!!
何チクってんだよ~~~~!!
なんも言ってねぇのに。
もうっもうっこの子は悪い子でちゅね~
内心パニくっておかしくなっている俺をよそに、あゆはニコニコしてれんの小さな頭を撫でた。
「ぼくもこの金髪のおにーちゃん好きだよ」
………
……ゑっっ!?
エエッ!?何あゆ!?カミングアウト?こんな場所で!?
あゆってば実は俺のこと…「れん君もお友だちのこと好きでしょ?お兄ちゃん達みたいにお友だち同士、仲良くするんだよ?」
ガクっっ…
なーんだ…オトモダチって意味ね。多少ガッカリしたのは夏の暑さのせいにしよう!うん。
その後の練習で何故か元気を取り戻せなかったのも暑さのせいだよね!?
バカみたいに空回りした夏休みのヒトコマ。
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