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ー新しい友ー
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「そっとだ、そう」
「取り合えずはここが一番安心だろう」
「そうだな」
何だろう
やたらと騒がしいような気がする
そっと目を開くと隣にベッドが置かれていた
「お帰り」
「楓、起こしてしまったか」
「大丈夫、それより・・・」
「はじめまして、ヨルだ」
ヨル、写真の人
と言う事は
「そしてこいつがアサ・・・今は薬で眠っている」
アサ
俺は彼の命を奪った
「楓、すまないが同じ部屋にするけどいいな?」
「俺は構わないよ」
「ありがとう、助かるよ」
「楓です、はじめまして」
「凛の友達だろ?よろしく」
友達と言われて嬉しかったけど俺は・・・
「よろしく」
少しこわばった表情で挨拶をかわした
「ヨル、ここなら誰も入れないから安心しろ」
「ああ」
「隣の部屋で今夜は休んで明日詳しい話を」
「わかった」
「楓、また明日」
「うん」
どうしよう
この部屋には眠っているアサと二人きり
「ごめんな、突然押しかけて」
起きてたの?
それとも今目が覚めたの?
「アサさん?」
「ああ、楓だな?よろしく」
「よろしく」
「それと、アサでいいから」
「わかった・・・あの、体調は?」
「今はまだ薬が効いていて頭がぼんやりしているけど大丈夫」
「そう」
話し方が柔らかい人
いい人だってすぐにわかる
「凛と仲良くしてくれているんだって?」
「色々教えてもらった」
「そうか、驚いただろ?」
「最初は驚いたかな、でも今は平気」
「よかった・・・凛はすごくいい子なんだ、だけど俺のせいで」
「アサのせいじゃなくてアサの為じゃないのかな」
「えっ?」
「凛はアサの為に頑張っているから」
「そっか・・・そうだな」
「うん」
少し苦しそうな呼吸になった
「朱雀を呼ぼうか?」
「大丈夫、ごめんな・・・俺はもっと話をしたいんだけど」
「ううん、もう休んで」
「ごめん」
「気にしないでね、おやすみ」
「おやすみ、また明日」
また明日
ヨルも同じ言葉を言っていた
その朝が後何回迎えられるの?
俺、耐えられそうにないかも
そのまま目を閉じて色々な事を考えていた
アサはここで死んでしまうの?
それしか方法は無いの?
閉じた目から涙が零れ落ちた
涙って目を閉じていても出ちゃうんだね
「余り考えるな」
指で涙を拭いながら氷龍が言った
いつ来たのだろう
「俺、どうしたらいい?」
「今は怪我を治せ」
「でも」
「すまなかった、お前に辛い思いをさせてしまって」
「ううん」
「ここが一番安全だからわかってくれ」
「わかってる、氷龍・・・二人を護ってね」
「ああ、必ず」
俺が動けない今、氷龍達に任せるしかない
「今は何も考えるな、深夜に色々と考えると深みにはまる」
「だね」
夜のせいかな
考え事は深夜にしないほうがいい
本当に深みにはまってしまうから
「二人共いい人だね」
「だな」
「うん」
「水を飲むか?」
「少し飲む」
「わかった」
氷龍に飲ませてもらった水を飲んだら睡魔に襲われた
さっきまで色々と考えていたのに頭が回らない
「眠れ」
「氷龍・・・」
「傍にいるから安心しろ」
「うん・・・・・」
その言葉だけで安心できる
傍にいてくれるだけで俺は眠れる
今は早く治す事だけ考えよう
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