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今日は朱雀に会いに行く日
俺は綺麗なバラを摘み、棘に毒を塗った
朱雀が好きな赤いバラ
赤いバラにはゴールドのリボンがよく似合う
「ここかな」
「朱雀のマンション?」
「うん、だから合鍵も持ってる」
「そう」
バラの花束を抱えて微笑む俺
エレベーターで最上階まで上り玄関に向かった
「じゃ、開けるね」
「うん」
カギを開けると女性物の靴があった
「朱雀の嘘つき、俺以外部屋に入れないと約束したのに」
楓は何も言わずに俺の後を歩いた
「ここにいたら最悪だね」
「だね」
ベッドルームの前に立ち、中の様子を伺う
残念ながら最悪らしい
「いるみたい」
「声が大きすぎるね」
「下品な声」
「同感」
そのままドアを開けると、朱雀と見知らぬ女がいた
想像はしていたけどせめてホテルでやって欲しかった
一応思い出の場所だし、ベッドも俺のお気に入りなのに
「凛・・・」
「女ってヤル時、カエルみたいなんだね・・・気持ち悪い」
「誰?勝手に入って来て失礼じゃない」
「あのね、俺のカギを使って入って来たんだけど」
「朱雀さん、どういう事?」
「お嬢様って簡単に足を開くんだね」
「朱雀さん、知り合いなの?」
何か言ってよ
それとも最善の方法でも考えているのかな?
朱雀らしいけどそうはさせない
「来ると思っていたよ」
「だろうね」
「朱雀さん、早く追い出して!」
「耳が痛いな・・・話はすぐ終わるから待ってくれない?」
「警察を!」
「うるさいよ?」
「きゃ!」
女の口を塞いだのは楓
裸だから何だか笑えるし楓がすごく嫌そう
「朱雀、そんなに研究が好き?」
「・・・・・・・・」
「俺よりも好き?」
「凛・・・・」
「聞くまでも無いね、好きだからこいつとヤッてるわけだし」
「話を聞きなさい」
「その前に服を着たら?」
「・・・・・・・・」
「最初に言っておくけど、俺は愛人とか嫌だから選んで欲しいんだけど」
「凛」
「選べよ」
「・・・・・・・・・・・」
「その沈黙が答えってわけね、わかった」
「凛、許してくれるのか?」
「何を?」
「だから・・・」
「許すわけないだろ、裏切者!」
「うっ!」
バラの花束で頬を殴りつけた
棘で傷付いた頬から赤い血が流れる
「凛・・・お前っ・・・」
「受け取ってよね、特別なバラだよ?」
「くっ・・・・」
「朱雀さん!誰かーー!」
「うるさいよ?」
「ううっ」
俺は朱雀の呼吸が止まるまで黙って見つめていた
感謝して欲しいな
苦しまずに殺してあげたんだからさ
「バイバイ朱雀」
あんなに愛していたのに
裏切ったのは朱雀
だから絶対許さない
「さてと」
「ひ、人殺し・・・」
「そうだけど何か?」
「たすけてー!」
「大丈夫、朱雀もいるし寂しくないよ」
「やめて・・・助けて・・・お願い」
「ここに居なかったら助かったのにね、運が悪すぎる」
「やめて・・・助けて、誰にも言わないから」
「女って嘘つきだからな」
「本当よ、約束する」
「じゃ、助かる方法を提案しようかな」
「何?」
「ここに二つの瓶があります、どちらかはただの水です・・・選べ」
「嫌よ!」
「じゃ、ここで死ぬ?」
「好きにしてもいいから、お願いよ」
「あのさ、誰がお前なんか抱くと思うの?気持ち悪い」
「お願い・・・助けて、お金ならあげるから」
「早く選んで?二分の一だよ、命が惜しくないの?」
瓶を差し出し微笑んだ
「本当に毒は一つね?」
「もちろん」
「・・・・・こっちを」
「じゃ、飲んで」
「・・・・・・」
「殺すよ?」
震える手で瓶を持ち、女は一気に飲み干し苦しみ出した
「ぐっ・・・ぐはっ!」
「残念、その毒は苦しみながら死ぬんだよね・・・ちなみにこっちも毒だけど」
「うぐっ・・・っ!」
「男も嘘つきなんだよ、朱雀がいい見本・・・でも、お前が悪いんだよ?俺の彼氏を奪うから」
苦しみもがいた顔を見つめ、蹴飛ばした
「行こう」
「うん」
マンションを出て、港に向かった
大きな月がキラキラ反射して綺麗
ボートに乗り、島へ向かう途中持っていたバラとカギを海に投げ捨てた
塗ってある毒は海水で消える
朱雀が見つかったとしても、毒はもう消えているはず
だって俺が調合した毒だから
朱雀が俺に教えてくれた秘密の毒
皮肉な事に自分が死ぬ羽目になるとはね
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