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歪な嘘【kypp】
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ピンポン。
ピンポン、ピンポン。
ピンポン、ピンポン、ピンポン。
ピ……
「壊れるからやめろって」
ドアを開けた。
目の前には俺より小さい、眼鏡をかけたやつが立っていた。
そいつは寝起きの俺の事なんか気にしていない。
回転しない頭で唯一理解したのはそいつが俺を見てにこ、と笑った事だけだった。
*
「ちゃんとLINE入れたのになんで起きてないの?」
P-Pは当たり前かのように冷蔵庫から飲み物を取り出す。
俺が好んで飲んでいる綾鷹くらいしか入っていないはずなのだがそいつの手にはジュースのペットボトルが握られていた。
多分前に遊びに来た時に置いていったものだろう。
前に来た時がいつだったかは覚えていない。
「……LINE?」
ズボンのポケットに乱雑に突っ込まれているスマホを取り出す。
充電はされておらず残りわずかになっていた。
近くにあったソファに座る。
慣れた手つきでLINEを開くと確かにP-Pからメッセージが届いていた。
画面を確認して時計を見る、10時30分。
メッセージが送られてきた時間、10時8分。
「ぺーぺー、こういうのは普通前日に送るもんじゃねぇの?」
「家に来る時アポ無しで来るキヨ君よりはマシでしょ?……まぁ、他の人にはちゃんと前日に送ってるけど」
ぎし、とソファの軋む音がした。
俺の足、……いや、太ももあたりに体重が乗っかっている。
目の前のLINE画面のスマホの奥には怪しげに笑うP-Pがいた。
そいつは俺と向かい合う形で膝に乗っかっていた。
「俺以外に誰かと連絡取ってんの?」
「……ううん、ここ最近はキヨ君だけ」
その言葉を言うなりP-Pは俺に抱きついた。
俺はスマホを置いた。
そっか、と小さく短く返して腰に手を回す。
「れとさんともつわはすさんとも連絡取ってないの、キヨ君とだけ」
「……ん、」
にへら、と幸せそうな様子で口元を歪ませるP-P。
その目にはハートが浮かんでいる様にも見えた。
「俺も、お前とだけだよP-P。」
そう言ってそいつと唇を重ねた。
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