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君の素顔が大好きです 1 【kyrt】
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sideキヨ
「レトさぁん、」
くい、と服の裾を引っ張る。
勿論いつものようにこちらは見てくれない。
……もうちょっとしつこくしたら構ってくれるかなぁ。
「レートーさん!」
ぎゅっと抱きついてみる。
するとレトさんははぁ、と俺に聞こえるようにため息をつく。
そして先程まで読んでいた本から目線を俺に動かした。
俺の目線は突然に天井へ向けられた。
「………………うっざいんやけど」
倒された俺の腹にレトさんの足が乗せられていた。
つまり蹴り倒されたということだ。
ぽつり、と冷たい声色で呟くその顔はとても苛立っている様子だった。
その冷たい雰囲気に俺はゾワッときた。
思わず、……口がにやけた。
「…へへ、レトさん、もっと踏んでくれてもいいんだよ?」
思った事をそのまま口に出せばレトさんは冷めた顔のまま俺の腹から足を退かした。
また先程の様に大きくため息をついてから本に目線を戻す。
「キヨ君さぁ、ほんとに気持ち悪いんやけど」
実況してる時みたいに明るくて騒がしい感じじゃない。
俺だけに見せてくれる、レトさんの素。
物凄く毒舌で冷たくてサディスト。
『気持ち悪い』
その言葉が頭の中でぐるぐる回る。
興奮とも言える感情がじわじわと湧いてくる。
「レトさん大好き」
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