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案に心配していたのだと訴える林田に笑みが零れる。
「ふふ、すみませんでした。
でも啓一さんからお話がなかったのであれば俺から話す事でもないかと思いまして。」
横で聞いていた斉藤の青い顔にくすくすと声を立て談笑していると道場の入り口が開かれた。
「雪―、そろそろ帰るよー。」
振り向くと柔らかな笑みを浮かべた啓一が雪を迎えに来ていた。
「はい!
直ぐ着替えるので少し待っててください。」
雪が啓一に走り寄ると髪を撫で整えられた。
「お疲れ様、いっておいで。」
更衣室に移動し軽く汗を拭い着替えた。
Tシャツを鞄にしまい、そっと戸を開けると啓一がにやにやと笑いながら斉藤を詰めていた。
「お前ら手も足も出ねぇってどういう事だ?
親父にもちゃんと言っとくからな。」
林田に顛末を聞いたのだろう。
一撃で沈められていった構成員達も皆俯いていた。
啓一の背後、姿を現した雪に溜息を溢しながら助けを求める林田はとても新鮮だ。
「お待たせしました。
啓一さん、俺も構ってください。」
静かに近付き腕を取り絡めると啓一の関心を取り戻す事が出来た。
優しく頬を撫でられその手に手のひらを重ねた。
「ん?どうしたの?
なんか拗ねてる?」
途端に柔らかい雰囲気に変わり道場内に張り詰めていた空気が和らいだ。
ゆったりとした動きで啓一の首に腕を回し頭を引き寄せる。
ぱちりと目を瞬かせる啓一の耳元に口を寄せ小さく囁いた。
「…いじめるのは俺だけにしてください。」
「っ、なん、て事いうの……。」
固まってしまった啓一から身を離し呆気に取られていた斉藤に向き直った。
「二、三日通わせて頂きます。
組長からもお願いされてしまったので、宜しくお願いしますね。」
「は、はいぃ!」
にこっと可憐な笑みを浮かべしかしながら獅子とも恐れられる若頭を手繰る手腕に道場には再び何とも言えない緊張が漂っていた。
「では車も着きましたので行きましょう。」
「おう、見送りは良い。
お前らは稽古を続けろ。」
林田に促されやっと起動した啓一がしっかりと雪の手を掴んだ。
所謂恋人繋ぎで絡められ雪は声を立てて笑った。
「では、また明日。」
繋いだ手は車に乗り込むまで離される事はなかった。
きつく指を絡めていたそれは気が付けば雪の太ももを弄り緩く撫で上げていった。
両の太ももに力を込め挟み込んでやると啓一の笑い声が響いた。
そっと身を覆われ見上げると優しく口付けが降る。
軽いリップ音が鳴り林田の咳払いが前方から届いた。
咎められた事を啓一に視線で訴えるが意も介さず口付けが止むことはなかった。
しかし重ねられた唇が開かれる事はなく求める様に啓一に腕を絡めるがそっと身を離されてしまった。
縋る様に見上げると緩く笑みが向けられた。
「雪だけなんでしょう?
いじめていいのは。」
密やかに耳元に口を寄せ告げられた言葉に、一瞬後孔がひくついた。
ふるりと身体を震わし俯く雪の顔を上げさせると、とろりと蕩けた表情が現われた。
「ねえ、雪。
返事は?」
逃げられない様抑えられた顎にぞくぞくとしたものが走る。
「はい、、、。」
くすくすとご機嫌な啓一に無意識に擦り寄ると髪を梳かれ首筋を指で辿られる。
甘えた吐息が漏れそうになり胸に顔を埋めていると静かに車が停止した。
「続きは部屋でお願いしますよ。」
唐突に林田の殊更冷たい声が聞こえびくついてしまった。
顔を上げようとすると啓一の腕に阻まれた。
「啓一さん、、?
降りないと、」
「うん、分かってる…。
雪、よく聞いて。
部屋に入るまで誰の顔も見ない事。」
「え、、、?」
「分かった?」
「はい、、、。」
こくり、小さく頷いた頭を撫でつつ啓一が低く声を出した。
「お前らも、雪の顔見んな。」
「はいはい、分かってますから。
早く部屋に上がってください。」
深く重たい溜息を吐きながら了承した林田は分かっているらしい。
一体なんのことなのだろうか。
取り敢えず部屋に向かい、それから啓一に聞くしかないだろう。
俯き誰の顔も視界に入れないよう注意し部屋に辿り着くと靴を脱ぐ間も与えられず後ろからきつく抱き込まれた。
「ん、啓一さん、さっきのなんだったんですか?」
「ああ、うん…。」
ぎゅう、と締め付ける腕を擦りながら問うが答えは返って来ない。
一先ず部屋に上がろうと促しなんとか靴を脱ぐと漸く腕が解かれた。
無言のままの啓一に手を引かれ真っ直ぐにリビングのソファへ向かっていった。
「お茶、淹れますか?」
「いや、大丈夫。
雪、このままここ座って。」
荷物をするりと奪われ、自身の膝をぽんぽんと叩く啓一にそう言われた。
「膝の上ですか?」
「うん、こっち向きね。」
向かい合う様に腰掛けた啓一の上に跨るとまたも腕が絡まり締め付けられた。
「あ、俺、汗かいて…、」
「さっきのはね、いやらしい雪の顔見せたくなかったの。」
「え?、ふぁあっ!」
「ここがひくついてエッチしたいって顔してたから。
その顔を見せていいのは俺だけでしょう?」
服の上からぐりぐりと後孔が抉られる。
まさかばれているとは思っていなかった。
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