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常に体を蝕む重い感覚。
最近はそれが増してきている気がしてならない。
精神的にそう思っているだけ、っていうわけでもないんだろうか。それとも本当に疲れからくるものなのか。
自分の体でも訳の分からない事ばかり。
しかも突拍子もなく起こるんだから怖いのだ。
体が痛くて何度も血を吐いた。
ベッドに縋り付いて息が続かない時もあった。
でも。
ーいつ誰に迷惑をかけてしまうか。
それが一番…………とてつもなく、怖かった。
それだけが僕を不安にさせた。
▽
まずい。
そう思った時には遅くて。
異変に気づいた彼が振り返って声をあげるまでに、そう時間はかからなかった。
いつも通り不定期にやってくる発作のようなものは、肉体的にも精神的にも僕を追い詰める。
放課後。
人気のない廊下に、苦しい息遣いと咳が響いた。
紛れもなく自分のもの。
手は真っ赤に染まっているけれど、生憎それを拭き取る程の余力は残っていなかった。両手で口をおさえても、指の隙間から流れる血を止めることも、誤魔化すことも不可能だった。
けれど僕が焦りを感じたのは自分の体に対してではない。
"それ"は目の前にいる……
天宝院先輩に対して。
それから
待たせてしまった二人に対して。
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