アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5
-
「んっ……、はぁ…」
人は感覚をもつ生き物だから、きっと本心では思い切り警戒していたとしても……快楽に勝つことは出来ないのだと思う。
もしそれが強姦だったなら、尚更。感覚に敏感になって、むしろそこに集中してしまうから。
今までの経験から何となく感じたコレを、自分にずっとかして生きてきた。
だから今もこうして、冷静にいられるんだろう。
それが"当たり前"だから。
「君さ、感情欠落してんでしょ。普通にこんなん何回やったって慣れるやついねーよ。何回もヤられて狂ったんじゃね?」
この人は手を出してこないのか…?
ずっと僕の横で煙草を吸っている。
「……」
僕が視線だけ送って目を見ていると、「よそ見すんじゃねーよ」とまたナイフで脅される。
相手が自分の欲求を満たすことに必死すぎて、僕にとってこの行為は拷問。
ある意味辛かった。
「ひっ、ぁ……」
僕が苦しそうにしているのがわかったのか、相手はすごく機嫌の悪そうな顔をする。
彼の持つナイフは、感情に任せて僕の首に赤い線をつけていった。
冷たい感覚に震える。
寒い。
そう訴えるように煙草の人を見る。なんとなく驚いた顔をした後、僕の前の人へと視線を移した。
「おいおい、そんなにがっつくなっつーの」
煙草の人がそう言うと、
「うるせえな!!」
と声を荒らげた。
短気な人だな……、そんなに大声を出して…………人に気づかれたらどうするんだ。
そう思った時。
煙草の人が……
ガッ!
と目の前の男を殴って襟をぐっと引き寄せる。
「誰に言ってんだテメェ」
殴られた人だけじゃない。
僕だってそれに驚いて固まる。
動画を撮っていた人は慌てているだけ。
…なんだこれ…………。
煙草の人がリーダーなのだろう。
殴られても逆らうこともしない。
とりあえず、だ。
上半身がはだけたまま、1人冷たいタイルの床に放り出されている僕にとっては、なんとも面倒な状況。
帰っていいでしょうかね……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 281