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錆びついた心
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まるで触手のようにヌルッと絡みついてくる視線。
正直僕にそっちの趣味はないんだ、つまり行為に慣れてしまっただけであって。
「あの……もうすぐ友達が来ちゃうんで…………続きはまた今度にしてくれませんか…。」
ここはもうすぐ授業が終わることを利用して、次の約束を付けるのが懸命。守る義理はないけれど。
「あ〜そうなの。それは面倒だねぇ。じゃあまた会いに来るよ、その時は仲良くしてよ」
すると案外すんなり。
どうやら人にバレるのが相当怖いと見た。
先に帰った方も、後の処理が面倒だとか言ってたもんね。
いくら慣れてしまった事だとしても、この人とするのは……直感というか、生理的にだめだ。
またね、と言って出ていく背中はなんとなく楽しそうで。
僕はその背中を見ただけで、気持ち悪いと思った。
▽
息をついてから少し。
屋上を出て階段を降りている時、閉めたはずのドアの音が後ろからガチャンと鳴った。
反射的にチラッと振り向くと、逆光で影しか見えないが、確かに人がいる。
その人はゆっくり階段を降りてきて、僕はやっとその人物を認識した。
「え、和慎君……?」
なんで…………?
最初に頭を回ったのはそんな疑問だけだった。
そして徐々に湧いてくる焦り。
僕の後ろから来たということは、だ。
もしかして、もしかしなくても。
「…………聞いてたの、…?」
息が詰まる、感覚。
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