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その日は珍しく雨が降った。
だから早めに学校を出た。帰らなくなりそうな勢いの、最近よくあるゲリラ豪雨ってやつっぽかったから。
それでなくても今日は雨が降る予報なんてこと言ってなかったから傘がなかった。
兎にも角にもとっとと家に帰らないと面倒なことになりそうだ。
「うっわ…めちゃくちゃ降ってんじゃん…」
研究棟から外に出た瞬間、ザァっと勢いを増した雨はすでに大きな水溜りを作っていた。
最っ悪、と呟きつつ俺は着ていたパーカーを脱ぎレインコート代わりにして門まで走った。
門を出るとたまたま空車のタクシーが滑り込んで着て俺は思わず手を上げる。
まぁ財布にはダメージだけど仕方がない。風邪をひいて講義に出られないよりはマシだ。
□□□□
住んでいるマンションに着くと、雨はさっきよりはマシになっていた。
「…お気に入りだったんだけどなぁ…」
濡れまくったパーカーを見て思わず呟く。とっととクリーニングに出そうと思いつつエントランスに入ろうとした、その時だ。
ガシャン
と、駐輪場の方で大きな音がしたのは。
まさか泥棒じゃないだろうなとそっちを見に行く。最近ここら辺で不審者の目撃が相次いでいて、注意喚起の回覧板が回ってきたのはつい昨日のことだ。
本当に泥棒だったらどうしよう、と駐輪場についてから思った。
一応柔道二段だけど…
…格上だったらどうしようもないしなぁ
そもそも包丁とか持ってたら一発で終わりだけど。
そんなことを思いつつ倒れている自転車の方に行く。そこは死角になりやすい角っこで。
なぜか。
「あんた…何してんだ…?」
人がぶっ倒れてた。しかも、傷だらけ。
「………どーしろ、って…」
思わずそう呟いてしまうのは、しょうがない。
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