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佐々木の家を出た晴。そのあとの行動は早かった。
無心で携帯を取り出し、佐々木の番号を着信拒否する。そして次にしたのは、適当に「相手」を探すことだった。
男2人、女3人。
簡単なことだった。可愛い可愛いと騒がれていた晴の容姿は、成長して「美しい」に変わっていた。そんな彼の見た目にたかるのは、男も女もいた。
それらをばっさり切り捨てる理由なんて今の晴にはなくて、SNSの掲示板や道端や、クラブやバーや。色々な形で出会いはあるだろう。
その中で晴は選ぶ。男2人、女3人。
女とするのは初めてだった。それを知った相手はうれしそうににんまりと笑う。「全部、あたしに任せてくれればいいよ」その言葉に晴は頷いた。
「写真、撮っても、いいですか…?」
晴に跨る彼女を下から見上げながら、彼女の額にうっすら浮かぶ汗を拭った。
彼女は余裕のなさそうな顔で腰を動かしていたけれど、晴の言葉を聞いて「若いね」とクスクス笑った。
「いいよ、そのかわり顔は写さないでね」
動画でもいいよ、だなんて甘く誘惑されて、晴は録画モードに切り替える。
(やばい、ああ、気持ちい。)
そこに愛がなくたって、セックスは気持ちいいのだと知った。
佐々木でなくたって、晴の身体は火照る。火照ってしまう。
そんなことは、知りたくなかった。知らないでいたかった。
佐々木のことだけを想って、佐々木だけと身体を重ねていたかった。
佐々木が、一緒にいてくれるだけでよかった。それだけでしあわせだったから、その気持ちだけ大切にしていきたかった。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
もう戻れない。もう戻らない。
出会わなければよかった。
心通わしたあの時間が、晴の心を余計に締め付ける。
「晴くん、つぎ上にきて?」
「はい」
女の言うままに、晴は彼女を抱いた。
初めてだけれど勝手に腰は動いたし、下にいる名前しか知らない女を綺麗だと思った。
佐々木の目から俺は、どんな風に見えていたのかな。
今となってはもう、知りたくはないけれど。
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