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「んーー。多分精神的なものだと思うんだよね。
本当にナリくんを認識できていないのか、確かめてないからなんとも言えないけど、、。
一種のパニックかなー。
記憶が混濁してる可能性がなきにしもあらず。人は誰しも、人には見せない黒い部分ってのがあるからね。隼人くんはそれがいっぱいいっぱいになっちゃったんじゃないかなぁ」
発作が治まって眠りについた隼人を院内の精神科医である澤田に診てもらった。
「精神的にキツそうとか、なかった?」
いつも笑ってたはず。
冗談を言ってふざけて普通の高校生と大差ないくらい明るかった。
「……特に感じなかった」
情けないがずっと一緒にいて何も変化に気付けていなかったのは事実。
「…そっか。まぁ目を覚ましたらまた呼んでよ。話を聞いてみるから」
「忙しいのに申し訳ない」
「全然」
爽やかに笑う澤田に礼を言って隼人の寝顔を見つめる。
何が苦しかったんだろう。
昔みたいに発散しなくなったからだろうか。
なんでもぶつけてくれていいのに。
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