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side 桐生
人生でこんなに焦ったのは何度目だろうか。
それこそ心臓が破裂するくらい嫌な音を立てて騒ぐから冷静でいたくとも体が言うことを聞かない。
深夜の病院を全速力で駆け抜けて乱暴に隼人の病室へ入り、隼人が手に持っていたステンレスのボウルを受け取って即座に横向きに寝かせる。
心臓病でも脳腫瘍でも血を吐くなんて例は知らない。
新しい疾患か。
何故こうも次から次へと。
「キリちゃ……」
寝かせた途端に意識が薄れ始めたのは何故。
「明日………」
明日…?
「あぁ、どうした」
「明日………………」
「……隼人?」
隼人が何を言いたかったのか、俺が知る前に隼人の目は閉じられてしまった。
……戻ってこいよ?必ず。
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