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side ⁇?
「おはよう。あら、また"あの夢"を見たの?」
私の一人息子、ハヤトがたまに見ると話していた悲しい夢のお話。
あれがどうにもただの夢ではないと感じ始めたのは最近だった。
「…うん」
ハヤトが朝起きてきたら泣いている。
それが4日も続いているから。
どれも"あの夢"を見たからなんだそう。
「今日もまた同じ内容だったの?」
朝ごはんの支度をやめてハヤトに寄り添う。
「ううん。今日は違った。今日はね」
「そうか、ハヤトは4日も同じ人の夢を見ているんだな?それは何かのメッセージかもしれないね」
私の夫もハヤトのそれを不思議に感じていた。
なんでも、今日の夢が一番辛かったと話していたからどうにかしてあげられないかと、ハヤトが寝静まってから二人で考えあぐねた。
「病院にいる夢って言っていたわ」
「腕のいい医者が自分を心配しているとかなんとかっていうのも言っていたな」
「その病院って…」
「……うん。本当に、存在するのかもしれないね」
「調べられるかしら」
「分からない。病院の名前とか、せめて夢に登場する人の名前が分かればいいんだけど」
私たちは考えた。
夢からのメッセージなんだとしたら、なにを伝えたいのだろう、なぜうちの子なんだろう、と。
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