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発作を起こしてから1週間。
絶対安静と口うるさく言われてベッドから1歩も動けなかった。
大好きな入院食も食べられず、痩せていく一方だった。
そんな時。
キリちゃんが人を連れて来た。
「覚えてるか。乃木知寛先生だ」
乃木、知寛。
覚えてる。
7年前、反抗期真っ只中のクソガキだった俺の身の回りの世話をやっていた研修医。
懐かしい。
全然変わってない。
ただ一つ変わったことといえば自信が付いたような表情になったことくらい。
あの頃は本当に手のつけられないクソガキで、今とは多分別人級に違うと思う。
しかもお別れ会的なのをやってたのに、ぶすくれて参加しなかったし…それっきりだったし…。
あぁまじで。
顔合わせるの恥ずかしいんだけど…。
「隼人くん、久しぶり。大きくなったね」
「あ、はい、おかげさまで…」
超気まずい。
「あれっ?なんか人違くない?」
笑いながら指摘されて顔が熱い。
「その節は大変なご迷惑をおかけしまして…」
「いい子になってる〜。人って変わるね。まぁでも気にしないで。全然気にしてないから」
ハハハと高らかに笑うこの人もちょっとは変わったみたいだ。
「あ、それでね、今日からまた身の回りのお世話するからよろしくね」
「んぇ?」
「俺、異動になったから」
「???????」
「その顔面白いよ」
謎すぎる。
急すぎる。
気まずすぎる。
キリちゃんにヘルプを求めても当然無意味。
目が合った瞬間逸らされた。
俺の気まずさ知ってるくせに!!!
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