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洗顔と歯磨きを終えて更衣室を出るとすぐに、走ってくる乃木に呼ばれた。
「桐生先生っ!!隼人くんが…!」
出勤早々なんだ。
血相を変えて訴えてくる乃木に妙な胸騒ぎを感じた。
小走りで病室まで行くとぐったりした隼人が目に入った。
「どうしたんだ」
右肩を下に向けた状態で力なく丸まった隼人の呼吸が浅い。
目は開いているが虚ろだ。
おでこを触っても熱はない。
発作を起こしている訳でもないのになんなんだ。
原因が見当たらず対策を考えているとフッと意識を失ってしまった。
このままでは呼吸困難に陥りかねない。
酸素マスクを付けるか。
いや。
人工呼吸器を装着させるか。
「桐生先生、ICUには…」
ICUか…。
隼人はICUを嫌うからそうそう使わせないのだが。
呼吸が止まる可能性がある隼人にとってはきちんとした部屋にいさせた方がいい。
特に最近は体調が優れないのだし。
原因は分からないが、悪化させないためにもICUに運ぶか。
「今すぐ空きを確認して来てくれ」
乃木に指示を出して隼人の心拍数を聴診器で聴く。
…通常だ。
何も異常がない。
どこだ。
どこにある。
原因は…なんなんだ。
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