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side アルジェント
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一体、何が起きてるのか……。
キリは立ったまま目を閉じてる。逆にラピヌの苦痛が終わり、ラピヌは立ち上がると剣でキリを斬りつけようしてた。
だけど、キリが傷付くことはない。
逆にラピヌの体が血塗れになっていった。
ラピヌに対しての魔法解除はしても、キリ自身に掛かってるシールドと反射はそのままのようだ。
しかし、何故キリは動かない?
『キリ、どうした?』
『……』
念話で話しかけても返事は一切返ってこなかった。
この決闘は止めるべきなのか……。
止めたとしたらどうなる?
ラピヌの性格上揉めるのは必須だ。
それなら、このままにしておくか?
5分経過した時、漸くキリが目を開けた。
「ふぅ……」
キリは額の汗を腕で拭った後、ラピヌを見据える。
「そろそろ終わりにしましょう【転移】」
キリは一瞬でラピヌの後ろに回ると、手刀を首に落とした。反応が取れなかったラピヌは、膝から崩れ落ちて地面にうつ伏せで倒れる。
「……勝者キリ・サイトー」
最後は本当にあっけなく終わった。勝ったキリは俺の方に走ってきて抱きついてくる。
「キリ?」
「……キツかった」
「何がどうなっていたんだ?」
「ヴォルフさんたちの目がキツかったからナイトメアを俺に転換させて残りの悪夢を見てた」
ラピヌの身変わりになったということか? そんな事が可能なのか?
「ねぇ? アル……」
「何だ?」
「俺のこと嫌いになった?」
弱々しい声、今にも泣き出してしまうんじゃないかと思うほどに。キリの細い体をキツく抱き締めた。
「それはありえないな」
「本当に? どうやら何人か俺のことを嫌いになったみたいだから、面倒事が起きるかもよ?」
ヴォルフとホークはラピヌに駆け寄り、倒れてる体を抱き起こしてる。そして、キリに敵意の眼差しを向けてきた。
「おい! お前ら何、睨みつけてるんだ?」
「どう考えてもやり過ぎっす」
「一度、降参するかキリはラピヌに問いてる」
「だからと言って抜け出せない悪夢を見させるのはどうかと私は思うよ」
「それも結局、転換してキリが殆ど受けてる」
「そんなの信じられないっす」
「信じられないようが、その目で見てただろ!」
「私は何が起きてるのかサッパリだったよ」
論破しようとするが中々うまくいかない。
『アル、俺を入れる諦めて。そうすれば上手く纏まるから』
なるほど、その手があるか……。
「結局のところ、お前らはキリを認めないんだな?」
「オレは無理っす。非道すぎっす」
「ええ。私も同じく」
言質は取った。
「分かった。俺はキリから離れられないから一緒に抜ける。今後【無慈悲な夜】のリーダーはホークに任せる」
『え? え? アル?』
狼狽えてるキリも可愛いな。何をしても俺はキリに嵌って落ちていく。
『俺はお前から少したりとも離れたくないんだ』
気持ちを伝えれば、顔を赤らめる。素直に反応するキリが堪らなく愛おしい。
キリに出会うまで、こんな気持ち知らなかった。
誰かを好きになることは1度もなく、セックスもただの性欲処理にすぎない。
キリを横抱きにし訓練所を出た。
2人でグループ組むのもいいな……。
「マレー、ティグ、何故ついてくる?」
「んー? 僕はコッチのが楽しそうだからぁ?」
「……キリ興味深い」
2人きりのグループという夢は見る前に砕け散りそうだ。
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