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side スノウ
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オレに甘えてくれてるキリが愛おしい。
二日前ダンジョン前で見た時は息が止まるかと思った。運命の番に出逢えたことに、それが人間だったことに。
既に番がいるからオレは受け入れてもらえない可能性もある。その事に落胆はなかった。
人間が、どういう性質の生き物なのか教わっていたから。
人間は魔力がないため運命の番を感じることが出来ず、もし出逢ったとしても手順を踏んで関係を縮めていかなければ嫌われることもある。
それだけではない。
一夫一妻を主にする人間は、他の人に心を寄せることを良しとしない。不誠実なことと受け取り、無理に体を繋げれば自害する者もいると。
それなのに、あのエンシェントドラゴンがとんでもないことを言ってくれた。
オレが彼の唯一、安らげる場所だと。
嬉しくないわけはない。やはり、出来れば好きになってもらいたい。その事で苦しむことがあるなら癒してあげたい。慰めてあげたい。
そんな本能がムクムクと顔を出してくる。
それを増長させるかのように、彼がフードを取った。
神々しい、そうとしか言えない容姿に目が離せない。
彼は魔力があるせいで運命の番を察知出来る、その事で本能と理性で悩んでいるはずだ。
ここでオレが本能に従ったら彼は後々後悔するかもしれない。
自分からは手を出してはいけないと自制するが、彼はオレを試しているのかと思われる行動をちょくちょく取る。
今もオレの首筋に鼻をあて匂いを嗅いでる。
このままでは……
「そろそろ戻ろう」
オレの理性がなくなる前に。
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