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獣化
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◇◇◇
「……んっ」
「起きた?」
「ーーっ!?」
瞼を持ち上げると大きな獣がいて、勢いよく体をおこした。
「……スノウ?」
「吃驚させちゃった?」
そりゃ吃驚だよ! 寝る前に見てたとしても驚く。こんな大きな獣が近くにいるなんて日本ではないことだから。
「ユキヒョウの姿?」
俺はユキヒョウがどんな姿なのか知らなかった。ただ、ヒョウと付いていたし、雪のように白いヒョウだと勝手に思い込んでいた。
だが、その姿はヒョウみたいに細くない。しっかりとした肉体で胴体も足も太く毛も長かった。特徴的なのは尻尾、コッチもヒョウみたく細くない。太く長く触り心地が良さそうだ。
尻尾は人型でも目にはしてたけど、獣化した時のその存在は比べものにならない。
無意識のうちに手を伸ばし、尻尾を手繰り寄せ抱いていた。
「……キリ?」
「あっ、ごめん。尻尾とかで弱点だよね!?」
犬も猫も尻尾に触れるのを嫌がる。大概の動物が弱点となるソレを断りも入れずに触っていた。
「キリならいいよ。ただ、少しだけ力を弱めてくれると嬉しいかな」
手元を見れば力一杯握ってしまってることが確認できる。
「ご、ごめん」
痛かったよね? 乱れてしまった毛並みを撫でて整えた。
「ところで……、何で獣化してるの?」
「……あのままだったら、欲望に逆らえなかった」
スノウはそっぽを向いて気まずそうに理由を口にするが、俺は首を傾げる。
「獣化の方が本能に忠実だよね?」
「そうだよ」
それなら獣化の方がシたくなるのでは? 腑に落ちない俺にスノウが言葉を続けた。
「キリを守りたいという気持ちが更に強くなる。獣化で欲情しても、抱いたらキリが壊れるという気持ちで留まれるの」
獣化と人型ではモノの大きさも違うと言うこと? それとも人型よりも激しく抱いてしまうということ?
人間で獣人の構造を余り知らない俺には、その辺りが想像出来なかった。
「それは……、モノの大きさ? それとも別のことで?」
素直に聞いてみれば、スノウに凝視される。
「知りたいの?」
獣人を番にしてるのだから、知っておいた方がいいだろう。
俺は頷き、答えを求めた。
「太さは一回りぐらい獣化の方が大きいかな。問題は長さだね。理性を失ってキリを抱いてしまえば確実に壊すほどにあるよ」
視線がスノウの下半身へといく。
長いとはどれぐらい? 興味津々で目が離せない。同じ男として他人の大きさは気になる。
「ちょ、キリ!」
俺の視線に耐えれなくなったスノウは、俺の体を離して人型に戻った。
見たかったのに……。スノウのケチ!
心の中で愚痴をこぼし、立ち上がって枕元にあるローブを被る。
「……脱がしてくれたの?」
「うん。勝手にごめんね」
「ううん」
脱いだつもりはなかったから確認すれば、申し訳なさそうに謝られた。感謝こそすれ怒る理由は何処にもない。
「ありがとう」
一言、礼を述べてテントの外に出た。
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